自分の経験を通して知った社会課題とは…?
私は、40代前半のときに、個人事業主(専門職)で経営していた夫を病気で亡くしました。
私自身、以前は働いていましたが、出産後は子育てに専念。
夫の事業には、まったく関わっていませんでした。
けれど、個人事業主・中小企業の経営者のもしものとき(急な病気や亡くなったときなど)には、残された家族である妻には、普通の会社員とは異なる、いろいろ大変なところもあります。
悲しみに暮れる余裕などありません。
そんな中、自分の経験を通して、弁護士会紹介の弁護士に聞いてはじめて知り、とても驚いたことがあります…。
それは、「経営者」という存在がいなくなった状態の会社は、色んな利害関係が動き出す「るつぼ」ということなんです。
実は、まだ働き盛りの経営者が急に亡くなったときなど、経営者が終活がきちんとできずに遺言書がない状態で亡くなったときなどは、混乱に乗じて、(経営者妻の不利益になり)自己の利益になるように動く人も出やすくなるところがある。そういうことは、ちまたではけっこうよく起こっているようです。
(だから、そういう意味では、例えば従業員と経営者妻とは利益相反するところもあるのです…)
(そして、もしそういう問題がでた場合には、経営者妻のためにサポートしてくれる専門家・適切にサポートしてくれる専門家を見つけるのもけっこう大変というさらなる問題もあるのです…)
結局、そういう場合は、経営者妻が泣き寝入りになってしまうことも少なくないようです。
ちなみに、そういう話は、弁護士ならだいたい誰でも知っていると聞きましたが、一方で、世の中の経営者妻のみなさんは、そういう現状についてまだ十分に認知されていない方も多いのではないでしょうか…?
だから、それって、実は、社会的な問題だということに気づきました。
では、なぜ、そういう社会的な問題が世の中の経営者妻のみなさんになかなか顕在化しないのでしょうか?
背景には、まだ働き盛りの経営者夫が急に亡くなったなどの経験をした妻が悩んだことなどについてはそもそも語られにくいうえに、同じような経験した経営者妻が同じような立場を共有できるような場もあまりない。「もっとここはこうだったらいいのに…」などの経験者の経営者妻の声が集まるような受け皿もあまりない。そういう現状もあるということに気づきました。
それで、経営者妻のリスタートの際のセーフティネットになりうるような、居場所の選択肢をつくりたいと思いました。