「経営者の夫を亡くした妻の会」のきっかけ・目的
日本の中小企業・小規模事業者の数は約358万社、個人事業主197万9,019人といわれています(2023年現在、中小企業白書、東京商工リサーチによる)。
これらの中小企業経営者や個人事業主が、病気等で急に亡くなった時、
残された家族である妻には、普通の会社員とは異なり、想像もしなかった大変なことがたくさん起こります。
私は、40代前半のとき、個人事業主として働いていた夫を病気で亡くしました。
私自身、以前は働いていましたが、出産後は子育てに専念。夫の事業には、まったく関わっていませんでした。
夫が経営者であったため、夫の死後、妻である私には色々な問題を考えなければなりませんでした。
例えば、夫の事業の経理のこと、夫が雇用していた従業員のこと、法律や税務の手続など…。
事業に関わっていない私にはわからないことだらけで、悲しみに暮れる余裕などありませんでした。
私は、色々な専門家に相談しましたが、夫の事業のことがわからない経営者の妻という私の立場を理解して
支援してくれる専門家に出会うことはできず、不信感が募るばかり。
また、経営者である夫を亡くした妻という自分の辛さや大変さを周囲に共感してもらうこともできず、孤独な気持ちを抱えながら、必死で様々な問題を乗り越えるしかありませんでした。
私は、このような自分の経験を通して、経営者である夫が亡くなった後の妻やその家族を守るセーフティネットのしくみが足りていないことに気づきました。
そもそも働き盛りである夫を急に亡くした経験をした妻の悩みというものは語られにくいうえに、同じような経験した方が、お互いに情報を交換をしたり支え合ったりできるような場もありません。
また、事業承継や相続というテーマで支援する専門家はたくさんおられますが、事業を承継しない経営者の妻の立場で支援してくれる専門家はどうやって探せばよいのかもわかりません。
私は、自分の経験を通じ、夫を病気で亡くした経験者として、経営者の妻が私と同じような状況に陥った時に、同じ立場の女性同士で支え合う場や、経営者の妻の立場を理解して支援してくれる専門家とつなぐことのできる受け皿をつくりたいと考えました。このような想いから、私は「経営者の夫を亡くした妻の会 リスタート」を立ち上げました。